結論:声を大きくしようとするより、「スマホとの距離を詰める」「部屋の反響を減らす」ほうが確実に聞き取りやすくなります。目安は口からおよそ30〜50cm。まず1回テスト録音して、イヤホンで聞き返してください。
声が小さいこと自体は問題ではありません。問題は、録れた音の中で自分の声より部屋の反響や環境音のほうが大きくなってしまう状態です。これは声量ではなく、距離と場所で解決できます。
この記事でわかること
- 距離を詰めるだけで聞き取りやすくなる理由
- 自分のスマホのマイク位置を確認する方法
- 距離別の音の違い(比較表)
- 風防代わりに使えるものと注意点
- 部屋の反響を減らす手順とテスト録音のやり方
なぜ「声量」より「距離」なのか
マイクに届く音の大きさは、音源から離れるほど急激に下がります。距離が2倍になると、届く音圧はおおむね半分程度まで落ちます。ここで重要なのは、下がるのはあなたの声だけという点です。
部屋の反響音や、エアコンの動作音、外の車の音は、部屋全体に広がっているためスマホを離しても大きさがあまり変わりません。つまり——
- スマホが遠い → 声が小さくなり、環境音の比率が上がる → こもって聞こえる
- スマホが近い → 声が相対的に大きくなる → クリアに聞こえる
「声を張る」のは表情や話し方に無理が出ます。距離を詰めるほうが、自然な話し方のまま音を改善できます。
まず自分のスマホのマイク位置を確認する
意外と知られていませんが、スマホのマイクは複数あり、位置は機種によって異なります。多くは本体の下端、加えて上端やカメラの近くにもあります。マイクが手や机で塞がれていると、距離を詰めても意味がありません。
確認手順は簡単です。
- スマホで10秒ほど動画を撮りながら、本体の下端を指で軽く押さえてみる
- 次に上端を押さえてみる
- 再生して、音がこもった/小さくなったタイミングの位置がマイク
分かったら、そのマイクを塞がない持ち方・置き方にします。スタンドのクランプ位置や、机に立てかけたときに下端が接している向きにも注意してください。
距離別の音の違い
| 口からの距離 | 音の傾向 | 向き・不向き |
|---|---|---|
| 15cm以下 | 声は大きいが息の音(ボッという破裂音)が混じりやすい。低音が強調されすぎる | 顔が画角に入りきらない。自己紹介動画には近すぎる |
| 30〜50cm | 声がはっきり録れ、胸から上が画角に収まる | 最も扱いやすい標準的な範囲 |
| 70cm〜1m | 反響が混じり始める。声が小さい人はこの時点で聞き取りにくくなる | 静かで吸音のある部屋なら可 |
| 1.5m以上 | 部屋の音のほうが大きくなり、こもった印象に | 声が小さい人には不向き |
画角と音は両立します。 縦画面で胸から上を収める構図なら、30〜50cmはちょうど収まる範囲です。全身を入れたいなどの理由で距離が1m以上になる場合は、音を優先して胸から上の構図に切り替えることをおすすめします。自己紹介動画では表情が伝わる構図のほうが有利で、音も同時に良くなります。
部屋の反響を減らす4つの手順
同じ距離で撮っても、部屋によって音は大きく変わります。反響は「硬い面で音が跳ね返る」ことで起きます。
手順1:硬い面が少ない部屋を選ぶ
避けたいのは、浴室・洗面所・キッチン・フローリングで家具が少ない部屋・玄関です。タイル、ガラス、金属、板張りの面が多いほど反響します。選ぶなら、カーテン・カーペット・布製ソファ・ベッド・本棚のある部屋です。布と本は音を吸います。
手順2:壁から離れて立つ(座る)
壁にぴったり背をつけると、跳ね返った音が遅れてマイクに入ります。壁から1m前後離れるだけで、跳ね返りが減ります。
手順3:部屋の角を避ける
角は2面の壁が直角に交わるため、音が集まって反響が強くなります。部屋の隅ではなく、部屋の中央寄りで撮ってください。
手順4:布を足す
それでも響く場合は、その場で吸音材を増やします。
- カーテンを閉める
- 撮影する自分の背後と、可能なら画角の外の側面にバスタオルや毛布を掛ける
- クローゼットの扉を開ける(服が吸音材になります)
- ラグを敷く
画角に入らない場所に布を置くのがコツです。 見た目を崩さずに音だけ改善できます。
風防の代わりになるもの
エアコンの風、扇風機、屋外の風がマイクに当たると、「ボボボ」という低い雑音が入ります。これは声を大きくしても消えません。専用のウインドスクリーンがなくても、次の方法で軽減できます。
| 代用品 | 使い方 | 注意点 |
|---|---|---|
| ハンカチ・薄手の布 | マイク部分にふんわり1枚かぶせる | 強く巻くと声までこもる。厚手はNG |
| ティッシュ1枚 | マイクの前に軽く垂らす | 触れて擦れると逆にノイズになる |
| 手のひら | 風上側に手を立てて壁を作る | 手でマイクを塞がないこと |
| スマホケースの向き | 風上と反対にマイクが来る向きに置く | 事前にマイク位置の確認が必要 |
最も効果的なのは、そもそも風に当てないことです。 エアコンと扇風機は撮影中だけ止めてください(数十秒で済みます)。屋外の風対策は「屋外で撮るときの音対策」で詳しく扱っています。
テスト録音の3ステップ
本番前に必ず1回やってください。10秒で終わります。
ステップ1:本番と同じ位置で10秒しゃべる
距離、部屋、時間帯、エアコンの状態まで本番と同じにします。内容は台本の冒頭2文で構いません。
ステップ2:イヤホンで聞き返す
スマホのスピーカーで聞かないでください。 小さなスピーカーは低音や環境音が再生されず、問題に気づけません。有線・無線どちらでもいいのでイヤホンで聞くと、こもり・反響・エアコン音がはっきり分かります。
ステップ3:症状ごとに1つだけ直す
| 聞こえ方 | 原因として多いもの | 対処 |
|---|---|---|
| 声が遠い・小さい | 距離が遠い | 30〜50cmまで詰める |
| 声が響く・風呂場のよう | 部屋の反響 | 壁から離れる/布を足す/部屋を変える |
| 低い「ゴー」が常に入る | エアコン・換気扇・冷蔵庫 | 撮影中だけ止める |
| 「ボボボ」が断続的に入る | 風がマイクに当たっている | 風防代わりの布/向きを変える |
| 音がこもる・くぐもる | マイクを塞いでいる | 置き方を変える/布を薄いものに |
| 「パ行」「バ行」で音が割れる | 近すぎる/息が直撃 | 少し離す/正面から少し角度をずらす |
一度に複数変えると、何が効いたか分からなくなります。 1つ直して、また10秒撮る。これを繰り返すのが最短です。
録音前チェックリスト
- ☐ スマホのマイク位置を把握し、塞いでいない
- ☐ 口からおよそ30〜50cmの距離にある
- ☐ エアコン・扇風機・換気扇を止めた
- ☐ 壁から1m前後離れ、部屋の角を避けた
- ☐ 画角の外に布(カーテン・タオル)がある
- ☐ テスト録音をイヤホンで聞き返した
- ☐ 通知音が鳴らない設定にした(マナーモード/機内モード)
安全上の注意:音声にも個人情報は乗る
映像だけでなく、音声も個人情報が漏れる経路です。次の点に注意してください。
- 電話番号・メールアドレス・SNSのIDを声で言わない(LOVETOKでは投稿動画の音声文字起こしを含む審査を行う予定です)
- 勤務先の正式名称、部署名、学校名を口にしない
- 背景音から場所が推測される場合があります。駅のアナウンス、特定の店舗のBGM、防災無線のチャイム、学校のチャイムなどは、静かな場所で撮ることで一緒に避けられます
- 同居する家族や同居人の声が入っていないか、聞き返して確認する
反響対策のために「静かな部屋」を選ぶことは、そのまま個人情報対策にもなります。詳しくは「動画投稿時の個人情報対策」をご覧ください。
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聞き取りやすさは、機材ではなく距離と場所の選び方でほとんど決まります。声が小さくても、30〜50cmと静かな部屋があれば十分に伝わる動画になります。撮った縦動画の活かし方は「縦動画マッチングとは」でご確認ください(LOVETOKは現在、会員登録の受付を準備中です。動画投稿は提供予定の機能です)。
参考:本記事の内容はLOVETOK編集部が整理したものです(LOVETOK編集部調べ)。距離の数値は一般的な目安で、機種や環境により最適値は変わります。
著者:横山隆一(LOVETOK運営責任者)/ 編集:LOVETOK編集部 / 最終更新:2026-07-27